2012年7月13日

文化庁が「違法ダウンロード」でQ&A公表


【ネット】違法ダウンロードの刑事罰化で、文化庁が「Q&A」をサイトで公開したようだ。

衆院を通過した時は、憶測も交えてネットで騒然となったが、いま一度、違法ダウンロードについて整理すると、
▽私的な目的で、
▽違法にアップロードされたものと知りながら、
▽サーバーにアップされたデジタル方式の録音、録画をダウンロードすること、
である。

罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金。

上記では「サーバー」と言い換えているが、原文は「自動公衆送信」。
つまり、公衆が利用できるサーバーのことを指し、メールなどのやりとりは該当しない

つまり、webサーバーはもちろんのこと、winnyやshareも対象となる

あと、youtubeの試聴で発生するキャッシュは、とりあえず違法ではないということになっている。

今回の法改正では、罰則規定はないものの、リッピングの違法化も規定されたが、これはアクセスコントロールを解除して行う複製がアウトということである。

つまり、そもそもコントロールがないものは違法でも何でもない。

ビクターが先日、コピー制限を廃止する旨を公表したが、こうした一連の動きを受けてのものだろう。

「悪法も法」とは言うが、より適切な法の執行が強く望まれる。

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文化庁違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A

Q1 今回の違法ダウンロード刑事罰化に係る改正の経緯や内容について教えてください。

平成24年通常国会での著作権法一部改正案の審議の過程において、いわゆる「違法ダウンロードの刑事罰化」を内容とする修正案が提出され、6月に可決、成立しました。

具体的には、私的使用の目的であっても、有償著作物等(Q2参照)の場合には、著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(Q3、Q6参照)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画(Q4参照)を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害(問Q5参照)した者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとされています(平成24年10月1日施行)。

(※)平成21年の著作権法改正により、私的使用の目的であっても、違法にインターネット配信されていることを知りながら、音楽や映像をダウンロード(録音又は録画)することは、刑罰はないものの違法となっています。

なお、この刑事罰の規定は親告罪とされており、権利者からの告訴がなければ公訴を提起できないこととなっております。

Q2 「有償著作物等」とはどういうものなのか教えてください。

有償著作物等とは、録音され、又は録画された著作物又は実演等であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているものを指します。

その具体例としては、CDとして販売されていたり、有料でインターネット配信されているような音楽作品や、DVDとして販売されていたり、有料でインターネット配信されているような映画作品が挙げられます。

ドラマ等のテレビ番組については、DVDとして販売されていたり、オンデマンド放送のように有料でインターネット配信されていたりする作品の場合は、有償著作物等に当たりますが、単にテレビで放送されただけで、有償で提供・提示されていない番組は、有償著作物等には当たりません。

(もっとも、違法にインターネット配信されているテレビ番組をダウンロードすることは、刑罰の対象ではないものの、法律違反となります。)

(※)なお、例えば、市販の漫画本を撮影した動画が、刑事罰の対象に当たるのではないかとの問い合わせがありますが、漫画作品自体が録音・録画された状態で提供されているものではありませんので、有償著作物等には当たりません。

Q3 適法なインターネット送信かどうかはどのように判別すればよいのでしょうか。

適法なインターネット送信かどうかを判別する方法として、サイトに「エルマーク」が表示されているかを確認するという方法があります。

「エルマーク」は、一般社団法人日本レコード協会が発行しているマークで、音楽・映像を適法に配信するサイトのトップページや購入ページに表示されていますので、参考にしてください。

(なお、「エルマーク」は、レコード会社等との契約によって発行されているもので、「エルマーク」の表示されていないサイトにおいて配信されているコンテンツが、全て違法であるということではありません。)

Q4 違法に配信されている音楽や映像を視聴するだけで、違法となるのでしょうか。

違法に配信されている音楽や映像を見たり聞いたりするだけでは、録音又は録画が伴いませんので、違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。

違法となるのは、私的使用の目的であっても、著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為です。

Q5 「You Tube」などの動画投稿サイトの閲覧についても、その際にキャッシュが作成されるため、違法になるのですか。

違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。  動画投稿サイトにおいては、データをダウンロードしながら再生するという仕組みのものがあり、この場合、動画の閲覧に際して、複製(録音又は録画)が伴うことになります。

しかしながら、このような複製(キャッシュ)に関しては、第47条の8(電子計算機における著作物利用に伴う複製)の規定が適用されることにより著作権侵害には該当せず、「著作権又は著作隣接権を侵害した」という要件を満たしません。

Q6 友人から送信されたメールに添付されていた違法複製の音楽や映像ファイルをダウンロードしたのですが、刑罰の対象になるのでしょうか。

違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。
違法ダウンロードでいう「ダウンロード」は、著作権又は著作隣接権を侵害する「自動公衆送信」を受信して行うダウンロードが対象となります。著作権法上、「自動公衆送信」とは、公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として送信を行うこと)のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うものをいい、友人が送信したメールはこれに該当しません。

Q7 個人で楽しむためにインターネット上の画像ファイルをダウンロードしたり、テキストをコピー&ペーストしたりする行為は刑罰の対象になるのでしょうか。

私的使用に留まる限りは違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。

違法ダウンロードでいう「ダウンロード」は、デジタル方式の「録音又は録画」であり、音楽や映画が想定されています。画像ファイルのダウンロードやテキストのコピー&ペーストは「録音又は録画」に該当しません。

Q8 違法ダウンロードを刑事罰化することにより、インターネットを利用する行為が不当に制限されてしまうのではないでしょうか。

違法ダウンロードに係る刑事罰については、故意犯のみを処罰の対象としており、「有償著作物等」であること及び「著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信」であることを知っていない場合には、刑罰の対象とはなりません。  また、この刑事罰は親告罪(第123条)とされており、権利者からの告訴がなければ公訴を提起できないこととされています。

さらに、違法ダウンロードの刑事罰化に係る規定の運用に当たっては、政府及び関係者は、インターネットの利用行為が不当に制限されることのないよう配慮しなければならないこととされています。(改正法の附則第9条や参議院の附帯決議)

これを受け、警察は捜査権の濫用につながらないよう配慮するとともに、関係者である権利者団体は、仮に告訴を行うのであれば、事前に然るべき警告を行うなどの配慮が求められると考えられます。

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